最高裁判所第三小法廷 昭和42年(あ)2478号 決定 1968年9月17日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人菅原昌人の上告趣意第一点は、憲法三一条違反を主張するが、実質は、単なる法令違反の主張であり、同第二点は、判例違反を主張するが、引用の判例は本件と事案を異にして適切でないから、その前提を欠き、いずれも適法な上告理由にあたらない(被告人らは、所論各自動車を、窃盗品の運搬に使用したり、あるいは、その目的をもって、相当長時間にわたって乗り回しているのであるから、たとえ、無断使用した後に、これを元の位置に戻しておいたにしても、被告人らに不正領得の意思を肯認することができるとした原判断は相当である。)。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 田中二郎 裁判官 下村三郎 裁判官 松本正雄 裁判官 飯村義美)